”日本映画が映画だった頃”始まりの話。

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訳もなく、だらだらと明け方まで映画の話をするのは案外楽しいもんである。

当然、酔いも回ってるので、口約束も当たり前。
初夏の暑さの中で飲んだついでにブログになんか書いといてという依頼を
多分「いいですよ」と答えていたに相違ないのである。

確かに「好きなこと書きゃいいんだよ。好きなこと」
と、編集長が言っていたのは間違いない。
そもそもブログで書きたくないことを書くなんて話を聞いたことがない。

いくら好きな事とはいえ、
「我が家の猫たち」「本日の料理レシピ」なんてものを書いて提出したら
さすがに温厚な編集長も助走をつけてとび蹴りしてくるだろうな…。

「いや、やっぱり内容は決めましょうよ。
とんでもないもの書いちゃってからじゃ、遅すぎますよ!」

「そうね。飼い猫の話とか延々書かれたら、俺はいいけど…他は厭かもね」

…しっかりバレてた。

「『日本映画が映画していた時代』とかいって、
要は岸田森と交友関係のある俳優さんと、
その出た映画とかのお話でどうでしょう?」


INTRO | 俳優・岸田森
kishida

以前から私が俳優岸田森を追いかけている事を編集長は知っていて
一番ネタがありそうなものを選んでくれたようだ。


「10年くらい前に出版した『岸田森全仕事』、
あれに出てくる映画を、毎回ド?ンと書けば、面白いよ!」

「ド?ンと…ね」

相変わらず大雑把というか簡単に言っちゃってくれるのだけど。

学生時代から気になっていた俳優岸田森が1982年に急逝。

ショックを受けた私は、それ以来後追いで膨大な作品を見始めて、
そのまま泥沼にはまるようにファンとなっていった。

以来ウン十年、出演すればタダでは退場する事のない
なんとも言えない強烈に魅力的な演技にはまり続けている。

そして、1999年に『岸田森全仕事』という本を自費出版して、
何故か日本SF大会で賞を貰ってしまった事もある。

まんだらけ 中野店 4F マニア館 武井崇「岸田森全仕事1962?1983」STUDIO28発行
kishida

だから、岸田森の事を書くのは決して苦ではない。
それでも、範囲は広すぎる。何かもうひとひねり欲しい。

岸田森は、1963年にデビューして、
先ほども書いたが1982年に急逝する。

という事は、
60年中盤にデビューして80年代初頭まで活躍したという事。

芸歴のど真ん中に70年代がまるまる入っている。
岸田森の絶頂期というのは、この時期と言っても良いかもしれない。

判っている限りで、岸田森は70本の商業映画に出演している。
そのうち、テレビの再編集版が二本あるので正式には68本。
数えてみると、そのうち、51本が70年代公開の作品だった。
およそ75%である。

岸田森といえば70年代ですよ。
70年代の映画に出まくっていますし。
それに、映画が一番無茶をしていた頃ですから面白いです。
そういう事に触れながら、岸田森の事を書いて行ったら
面白いんじゃないでしょうか?」


「そうですね、それでド?ンと行こうよ。ド?ンと!」

もうド?ンとはええっちゅうねん。

と、いう事で、
岸田森とその周辺の人々が出演した70年代の邦画を中心に
ここでは書いてゆきたいと思っている。

題して『日本映画が映画だった頃』。

あくまでも?中心に?なので、気まぐれな私の事、
色々と話が飛びまくるかもしれないけれども、
その点ご容赦していただければと思う。

「で、一回目は何を取り上げたらよろしいでしょうか?
リクエストはありますか?」

「う?ん、沢山あるからな…『ゴジラ対メカゴジラ』とか
『ブルークリスマス』とかじゃありきたりだし…
あぁ一発目だし『子連れ狼』は? 三隅研次監督の奴。」

「第二作目の『三途の川の乳母車』ですか?」

kodure

「そう、あれ。あれだったら特撮モノみたいだし、
ヒーロー作戦から飛んできてくれた人にも取っつきやすいんじゃいかなぁ?」

「特撮もの…ですか」

「そうです。ド?ンと書いちゃってよ。
大船…いや乳母車に乗ったつもりでサ」

「…(どこが特撮なんだよ…という突っ込みは胸にしまう)」

というわけで、次回は
子連れ狼 三途の川の乳母車』(72)を
岸田森的視点でお送りいたします。

kishida

乞うご期待。


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