【ウルトラマンマックス】#20『怪獣漂流』

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晴れた早朝。
今日も山口家の一日が始まりました。

いい天気だなあ・・・でも晴れなのになんか暗いっす・・・
ということはほとんど気にせず、朝のだんらん。
すると、TVでニュース「怪獣出現です!」

あわてて、外に飛び出すと・・・
おうちの上には、 でっかい怪獣がプッカリ浮かんでおりました(^^)

この衝撃のアバンタイトル。
正直TVの前でケラケラ笑いこけてしまいました。
これだけで、つかみはオッケー!!って感じでしたねー。
今週も面白かったです!

見る前は、初代「ウルトラマン」 のスカイドンの話の単なるリメイクかと思っていたんですが、どうしてどうして。 (まあ、今のマックスの製作スタッフが、そんな単なるリメイクで満足するわけないし(^^))
うまい怪獣設定+それにまつわるドラマ&ギャグで見事に構成された、 ギャグ編の佳作って感じの1本でした。


●ナイスな怪獣設定

まず”なぜか眠っている間は宙に浮いている” というクラウドスの設定がいいですね。

起こしてはいけない!⇒起きると地上に落下して大被害が!ということで、

”怪獣の回りでは大きい音を立ててはいけない!

という笑えるシチュエーションが生まれるわけで。

怪獣の設定を中心にドラマを組み立てるというところは同じなのですが、” 重い”ということだけでドラマを組み立てていたスカイドンの話に、 さらに一アイデア加えているわけですね。
思わずうまい!・・と思ってしまいましたよ。

で、眠ったままフワフワ風船のように移動するクラウドスが、ビル街に突入するシーン。
ここも、起こしてはいけない!という設定をうまく使っていましたね。

ビルに衝突したら目を覚ましちゃうというので、何とかビルの間をすり抜けさせようするわけですが、
ビルの間を抜けるか・抜けられないか・・・ そのギリギリな描写が、なかなかスリリング

必ずしも、戦闘をやらなくても、こういうドキドキするシーンを作れちゃうもんなんですねー。
アクション映画では当たり前の要素でも、こういうウルトラでは新しいパターンをどんどん取り入れてくれるのはウレシイですね。

太田脚本の印象

あと、冒頭に書いたクラウドスにからむ山口家の人々をはじめとして、 クラウドスの出現に右往左往する一般の人々の日常描写が丁寧に描かれているのも印象的。

それもそのはず。
今回の脚本家は
太田愛さんなんですね。

太田さんは「ウルトラマンティガ」第21話 「出番だ!デバン」で、脚本家デビューされた方で、 その後も平成ウルトラで数々の佳作を手がけてらっしゃいます。

私が見た中で印象に残っている作品としては

ウルトラマンダイナ 第8話「遥かなるバオーン」
ウルトラマンダイナ 第20話「少年宇宙人」
ウルトラマンダイナ 第35話「怪獣の身代金」
ウルトラマンダイナ 第41話「ぼくたちの地球が見たい」
  
ウルトラマンガイア 第29話「遠い町・ウクバール」

ウルトラマンコスモス第13話「時の娘 前編」
ウルトラマンコスモス第14話「時の娘 後編」

などがあります。

最近だと、ウルトラマンネクサスで、 「千樹憐」編の大半を書かれてらっしゃいますね。
詳しくは 太田さんのHPを参照してくださいませ(いくつかの作品は実際のシナリオを読むことができます)

太田さんの脚本は、私も大好きで、今回のお話も楽しみにしていました(^^)

論じるほど、体系的に作品を見ているわけではないんですが、私が感じる太田作品の一番の印象としては、

○生活者としての視点・・・キャラクターに”日常”を感じる

というところでしょうか。

例えばさっきあげたダイナの「少年宇宙人」という作品は、

普通の日常を過ごす普通の少年が、ある日、自分が宇宙人だ!ということを知り、今までの日常と決別し、 旅立っていく話

ですし、

デビュー作の「出番だ!デバン」も、 サーカスで子供たちと触れ合う日常を過ごすデバンという怪獣が話の主人公。

ネクサスにしても、普段いったいどういう生活をしているのか・・・ そういう日常がほとんど描かれない姫矢に比べて、憐の描写は、遊園地で子供たちと過ごしているという日常がベースとなっています。

お話の基本として描かれる”日常描写”、そしてそこに、ポンと放り込まれる”怪獣”という非日常な異物。

そこから生まれるドラマ。
センス オブ ワンダー的な不思議な感覚(ファンタジー感覚) といってもいいかな。

そういったモノが、大田作品の大きな特徴と個人的には感じます。
お話に、SFマインドを感じるんですよねー。
SFといっても、”サイエンスフィクション”ではなくて、”少し不思議”の方。

こういう日常に不思議を放り込むというのは、前にも書いたかもしれないですけど、 ウルトラシリーズの一つのパターンなんですよね。
大体、ウルトラQの企画時のタイトルが「アンバランス」。
日常のバランスがもしも壊れたら・・・というものですから。

太田さんは、シリーズの中では、メインではなくて、 割と変化球的な作品の回を担当することが多いような気がするのですが(ネクサスは除く)
実は、 ウルトラシリーズの遺伝子を色濃く受け継いでいる正統な脚本家の1人だと思っております(^^)


●ちょっとした不満

ただ、今回、脚本的には、ちょっとした不満もないではないです(^^)

中盤から、DASHの対クラウドス作戦がメインになって、山口家の描写がやや薄くなるんですよねー。
ここがちょっと不満。
もうちょっと山口家の人々を本筋にからませてほしかったと。
ラスト、巨大耳栓が、たまたま松茸狩りに来ていた山口親子の所に落下する・・・というのはちょっとご都合主義的のような気がしますし。

いっそのこと、クラウドスは移動せず、ずっと山口家上空にとどまっている、 とかしたら良かったんじゃないかなーっと思ったりしました。

クラウドスの出現で、山口家周辺に野次馬が集まり、その騒音で、クラウドスが目を覚ましかける。
その度に、「家がつぶれる?」と右往左往する山口家の人々とかすれば、 もっとキャラも立つかなと。
ただ、シーンが一箇所に固定されちゃうので、 変化に乏しいというのあるかな・・・
既出のビルすり抜けとか出来なくなっちゃいますし。

うーん、あちら立てればこちら立たずかあ。
やっぱお話作りって難しいですねえ・・・

(その他のポイント)

●エリー
今週も可愛いかったですね(^^)
特に、全然関係ないシーンの端の方で、ひそかにやってる”ふくれっつら”が(笑)
長官へのツッコミですが、もしかして体内に”良心回路”ならぬ”毒舌回路”でも取り付けたか?と思わせる、 容赦のなさでした(^^)

主役の回「クリスマスのエリー」は太田脚本だそうで、今から楽しみですー。

●山口家
お父さん役は、 ダイナのナカジマ隊員役の小野寺丈さんでしたね(^^)
(久々にお見かけしました)

●赤星さん
ホント変な役が多いですねー(^^)
オビコとかもそうだし。ウルトラではこんな役ばっか。
まともな人間は、ガイアのガード幹部くらいではないでしょうか。
ご本人が好きでやってるという噂が(^^)


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Comments [2]

No.1

赤星氏>いや、グランセイザーでは事実上の指揮官役でしたから結構まともな役でしたよ!

今回の話、結構叩かれるのかなと思いましたけど、意外に受けが良いですね。
宇宙と亜空間の差はあれど、元の所に返してやるというシチュエーションはシーボーズにも通じるところがありましたね。

No.2

こんにちわ!>nationwiseさん

グランセイザーを忘れてちゃダメですね(^^)
映画版にも、確かグランのキャストから唯一参加されるんですよね。
まだまだがんばっていただきたいもんです。

>宇宙と亜空間の差はあれど、元の所に返してやるというシチュエーションはシーボーズにも通じるところがありましたね。

おお。確かに(^^)
両方とも”優しさ”が感じれるお話でいいですねー。

>今回の話、結構叩かれるのかなと思いましたけど、
>意外に受けが良いですね。

太田さん人気あるんですね(^^)
私も好きですけど。

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ウルトラマンネクサスの大ファンです。
現在はウルトラマンギンガを応援しつつ、鎧武・トッキュウジャー・牙狼、その他BSCS特撮にVFX映画とあいかわらず見るモノためまくって消化が追いつかない毎日(苦笑)
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